みすみの花が開くとき
「…柾も英兎も、色々やってたんだな」

「雪がトラウマを克服出来るなら、安いモンだ」

「柾…」

「心気臭ぇ話して悪かったな」

「いや、ありがとうな。話してくれて」


柾は背を向けた。


「今頃、英兎もつぶれてるだろうな。佐橋と一緒に担いで帰らねぇと」

「僕も手伝う」

「元々、雪とデートだったんだろ?邪魔者連れて消えるよ」

「…友達だろ。手伝ってもいいだろ?」

「雪は?放っぽっとくのかよ?」

「柾こそ。紅葉さんと閑さんは、どうする?

大体、柾は二人も担いで行く気か?」


柾は溜息をついた。


「…勝手にしろ」


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