みすみの花が開くとき
《Lievre》裏口。


僕は英兎を担ぐ事になった。


「ここまでしか見送り出来なくてごめんね。店があるから」

「いえ、ありがとうございます。玉兎さん」

「英兎は置いて行ってくれて構わないよ?」

「いえ。軽い恩返しのつもりで」

「そう。じゃあ、頼んだよ」

「はいッス。…あ。玉兎さん」

「なんだい?」

「これからも、手伝いに来ていいッスか?」


玉兎は溜息をついた。


「…そんな事かい」

「駄目…ッスか?」

「君の紅茶には、ファンが居るんだよ」


誰だろう?


「それって…」


玉兎は微笑んだ。


「大歓迎って事だよ」

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