みすみの花が開くとき
義成の家。


「オラ、佐橋。着いたぞ」


柾は義成を降ろした。


「…五十嵐~…。サンキューなぁ…」


呂律はほとんど回っていなかった。


「近~…衛ぇ」

「何だ?」


酔っぱらいのご指名か。


「…お前の紅茶…、美味かったぜぇ…。将来、店ぇ、出せよぉ」

「…ありがとうな」


自分の仕事が褒められるって、嬉しいな。



…まぁ、言った本人は、次の日には忘れてるかも知れないけどさ。


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