みすみの花が開くとき
英兎の家。


英兎を降ろす。


「誠ぉ。ありがとうねぇ」


英兎、酔ってても口調があんまり変わってないな。

普段から間延びした声だし。


「誠ぉ」

「何だ?」


酔っぱらいから好かれるらしいな、僕は。


「また…《Lievre》で…紅茶ぁ」

「ああ。玉兎さんの許可も貰った。続けるよ」

「それとぉ…。雪お姉ちゃんを…頼んだよぅ…」

「ああ。任せろ。…色々ありがとうな」


英兎は穏やかに微笑んだ。


本当に、ありがとうな。

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