みすみの花が開くとき
1-D。


教室は既に賑わっていた。


あ。柾達だ。


「よ。柾達」

「ひとくくりぃ?」

「寂しいな、オイ」

「はいはい。英兎も佐橋も、おはような」


雪は誠の背中にまわった。


「雪?」

「…ご、ごめん…。

…あたし、まだ少し…、佐橋くんが恐いかも…」

「がぁああ~ん!」


義成は大きく仰け反った。


「自業自得だろ」

「青井の策略だし」

「そういえば。雪。英兎は恐い?」

「…ううん。…大丈夫…」

「がぁああ~ん!」


…今日は平和だな。

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