みすみの花が開くとき
雪が顔を出す。


「おかえり。花月ちゃん」

「高杉先輩は薄情です…」

「いいの、いいの。あんまり構うと、調子乗るからさ、アイツ」

「お嫌い…なんですか?」


遥は顔の前で手を払った。


「花月ちゃん達みたいな解り易い関係じゃないの」


雪は押し黙った。


「さ。帰ろ。近衛も」

「あ…。はいッス」


三人は放送室を出た。





校門。


遥はくるり、と体を校舎に向けた。


「じゃ、私はミツカンのお見舞いするから」

「「はい…?」」


遥はすたすたと歩いて行った。


「高杉先輩って…」

「ねぇ…」


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