みすみの花が開くとき
「…もう十年くらいになりますね。あの子達と知り会って」
雪はしみじみと言った。
「長いね」
十年…、小学校通う前から?
幼なじみってヤツ?
つかの間の沈黙。
…聞いておこう。否定の返事を願って。
親友の幸せを願えないなんて、最低だな、僕は。
「いつ頃から?」
「はい?」
『柾とは、いつ頃から付き合ってるの?』
その言葉はチャイムにかき消された。
溜息。
でも、少し安心。
…ヘタレめ。
時計を見る。
「そろそろ行かないとね」
「うん…」
見下ろすと、蟻が行進していた。
「…あの」
「なに?」
振り返るが、雪はもじもじと俯いたまま、なかなか言葉を続けない。
「遅刻するよ?」
「…あ、あの、…明日も来てくれませんか?」
「ここに、同じ時間に?」
「はい…」
「わかったよ。明日も来る」
脳裏を過る、親友の顔。
…柾に悪いかな…。
まぁ、相手からのお誘いだし、いいか?
胸の痛みは気にしない事にした。
時計を見る。
「花月さん。走ろっか」
雪はしみじみと言った。
「長いね」
十年…、小学校通う前から?
幼なじみってヤツ?
つかの間の沈黙。
…聞いておこう。否定の返事を願って。
親友の幸せを願えないなんて、最低だな、僕は。
「いつ頃から?」
「はい?」
『柾とは、いつ頃から付き合ってるの?』
その言葉はチャイムにかき消された。
溜息。
でも、少し安心。
…ヘタレめ。
時計を見る。
「そろそろ行かないとね」
「うん…」
見下ろすと、蟻が行進していた。
「…あの」
「なに?」
振り返るが、雪はもじもじと俯いたまま、なかなか言葉を続けない。
「遅刻するよ?」
「…あ、あの、…明日も来てくれませんか?」
「ここに、同じ時間に?」
「はい…」
「わかったよ。明日も来る」
脳裏を過る、親友の顔。
…柾に悪いかな…。
まぁ、相手からのお誘いだし、いいか?
胸の痛みは気にしない事にした。
時計を見る。
「花月さん。走ろっか」