みすみの花が開くとき
1-D。





雪は少し、息を乱していた。

席につく。





「仲いいねぇ、誠?」


振り返らないでも判る、親友の間延びした声。


「そんなんじゃないよ。色ぼけウサギ」


そういえば、英兎、席、隣だったな。


「顔、赤いよぅ?」

「…走ったんだよ」

「ふぅん?」


英兎はくすくすと笑っている。





「え、じゃあ、花月さんってフリー?」


あ?誰?


見ると、横槍を入れたらしい、健康的に肌を焼いた少年が居た。


…あー…。ごめん。

誰?

< 25 / 307 >

この作品をシェア

pagetop