みすみの花が開くとき
店を出る。





雪に合った物、か。

何がいいかなぁ…。





影が一つ。





影は構え直した。

標的を確認。

チャンスは一度。

影は踏み出した。





考え事をする時に俯く人がいる。

誠も、その一人だった。


雪に合った物…。

雪に合った物…。





人にぶつかる。


「あ。すみま…」


誠の言葉は最後まで続かなかった。

ぶつかった人が走り去って行った、というのもあった。





誠は気付いた。





自分の腹部に、違和感が有る。





恐る恐る、まさぐる。





接触。





それは、柄だった。





身体の力が抜ける。





誠は、道に倒れた。


< 278 / 307 >

この作品をシェア

pagetop