みすみの花が開くとき
足を止める。


人だかりが出来ていた。

救急車のランプが見える。





嫌な予感。

早く行こう。


「雪さん!」


振り返ると、青い顔をした紅葉が居た。


「紅葉ちゃん。…どうしたの?」


紅葉の表情はいつにも増して険しい。


「お、落ち着いて聴いて下さいね」


苦笑。


「紅葉ちゃんこそ」

「誠さんが…」


…嫌な予感。


「…誠に、何か有ったの?」


紅葉は苦しげに頷いた。





「…通り魔に刺されました」


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