みすみの花が開くとき
近衛誠は濃霧の中に居た。


ここは…?


周りを見渡す。





雪の後ろ姿。





「雪!」


後ろ姿は振り返らない。


駆け出す。


雪!


後ろ姿は歩きだした。


「雪!待って!」


僕を置いて行かないで!

こんな所で、一人にしないで!





雪に寄る影が一つ。

影は雪の隣を歩きだした。


誰だ、お前は!

そこは、僕の居場所だ!





影は振り返った。





その顔は…―


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