みすみの花が開くとき
染谷紅葉は焦っていた。


誠さんが刺されるなんて…。

迂闊だった。





今まで、狙われたのは雪さんの方だった。

その雪さんは、今、ここに居るけど…。





雪さんさえ安全な所に居ればと思っていた…。





私の落ち度だ。

私がついていれば、防げたかも知れないのに…。

何の為に身につけた体術だか。

人を守る為だったのに…。





紅葉は唇を噛んだ。


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