みすみの花が開くとき
屋上から降りる。


「柾ってさ、顔はカッコいいし、ガタイも良いし、性格も悪くないのに、彼女つくらないよね」


柾はモテる。英兎もだけど。

僕と違って。


「そういえば…、そうですね」

「好きな人が居る、とかかな?」

「…英兎くんなら、知ってるかも知れませんね」

「アイツ、鋭いしね」

「居るんだったら…、応援してあげましょうね」

「うん」





ライバルじゃなければ、ね。





…僕って、本当に、最低だな。


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