みすみの花が開くとき
帰路。


花月さんって、柾か英兎の事、好きだったりするのかな?

聞いたら、はぐらかされそうだけど。


「花月さんってさ、柾か英兎の事、好きなの?」





またも、否定を願って。





「…はい。好きですよ。柾も英兎くんも」


その声はまだ沈みぎみだった。


苦笑。





解ってないね?


「ラヴ?」


雪は穏やかに笑った。


「まさか…。

…言いましたけど、あたしは…あの子逹のお姉ちゃんみたいなものですよ」





二人は、そうは思ってないかもよ?





T字路。





挨拶して、背を向け合う。





少し歩いて、振り返る。





視線が交わる。





慌てて別れを告げ、家を目指した。

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