みすみの花が開くとき
ふ、と疑問。


花月さんって、入学式の日、なんで屋上に居たんだろ?


「ねぇ」

「あのっ…」


かき消し合い、同時に口ごもる。


「花月さん。先、どうぞ」

「い、いえ、近衛くんがお先に…」

「僕の話、大した事じゃないから」

「…あたしのも、すごく下らない事なんです…」

「話してみて?」

「…本当に、下らない事なんですけど…」

「どうぞ」





雪は少しもじもじと黙ってから、口を開いた。





「…近衛くん。城戸さんの事、どう思ってますか?」





…本当に下らないなぁ。


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