みすみの花が開くとき
昼休み。

学食。

ラーメンをすする。

両隣には、柾と英兎。





ふ、と疑問。





「柾さ、彼女、作らないのか?」

「お前には関係無ぇよ」

「そうだけどさ。もったいないな、と思って」


今だって、柾を盗み見ながら黄色い声で囁き合ってる女子は、けっこう居る。


「お節介だ」


コイツは、こんな調子だけど。


「もったいないなぁ」

「誠。麺、伸びちゃうよぅ?」

「解ってるよ、英兎」


コイツも、なんだよな。

そんな二人に挟まれてたお陰で、僕がナルシストになる事はなかった。


「そー言う誠はどーなの?」

「僕は、お前らの引き立て役だからな」


この台詞、本当ね?


「まーた、そんな事言う。ぼくらに遠慮なんて、しなくていいからね?
ねぇ、柾?」

「あぁ。それでチャンス逃したら、もったいねぇからな」


苦笑。


「解ってるよ」





…なぁ、二人供。





その台詞…―





花月さんが素敵だと思ってるって言っても、また、言ってくれるか…?



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