みすみの花が開くとき
放課後。


「ねぇねぇ、誠。ホントに、雪ちゃんとは、なにもなかったの?」

「隠しても無駄だぞ?俺達、雪の友達だし」

「…お前ら、午後いっぱい、そればっかりだったよな」


英兎は鼻を鳴らした。


「トーゼンだよ。幼なじみのお姉ちゃんが、飢えた男と密室で二人っきりだよ?」


飢えた?


「それにお前、彼女がどうのとか言ってたし」

「つまり、僕の事、信用してないんだろ?」


二人は同時にうなずいた。


…それでも友達か?

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