みすみの花が開くとき
「今日の活動なんだけど、大会の話ね」


放送部にも、大会って有るんだ。


雪は顔を上げた。


「…今から、ですか?」

「早い方が、と思って」

「それも、さっき話しててな」


僕、置いてきぼりだなぁ。


遥の一瞥。


「花月ちゃん。後で、君のツレにも説明しといてね」

「はい」

「近衛ッス」


遥は反応しない。


…この人、僕の名前、覚えてないな。

一生、呼ばれる気がしない。



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