みすみの花が開くとき
十分後。





「君もミツカンも、手ぶら?」

「…はいッス」


遥は溜息をついた。


「ミツカン。言い訳は?」

「出遅れだ。

時期的にも、時間的にも、勧誘が遅すぎた。

もう部活に入るヤツは入ってるし、迷ってるヤツだって、他の部の見学をしてる時間だ」





「…解ったけど、人不足はどうするの?」

「仕方ねぇだろ。

無理せずドラマ系は諦めるか、多少無理して出るか、だな」





あれ?

花月さんが居ない。





「聞いてる?」

「…え。あ、はいッス」


遥は溜息をついた。


「…花月ちゃんなら、顧問のトコだよ」


…いいかげん、慣れたけどさ。

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