みすみの花が開くとき
「近衛くんって、なんで毎日、ここに居るの?」


なんで知ってる?

僕は誰にも言ってない。


「ちょっと、ね」

「ふぅん」


少女が並ぶ。


マズイな。こんなに近くで見ても、思い出せない。

失礼だよなぁ。


「ちょっと、…花月さんに会いに来るの?」


無表情に徹する。


なんだ、この人?


「なに言ってんの?」


少女はまた、にたり、と笑った。


口の中で舌打ち。


あぁ、もう。


「あれ、図星なんだ?

英兎くんの情報はアテになるなぁ」


英兎の知り合い?

で、僕の知り合い?


「アイツ、また何か言ってた?」

「ちょっと、ね」





…あぁ、もう。



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