みすみの花が開くとき
「柾。雪ちゃんって誰だよ?彼女か?水臭いな」


柾に詰め寄る。

柾は気まずそうに目を逸らせた。





柾の背後に動く影。





回り込む。





短い悲鳴。





柾の舌打ち。





捜し人・その3。





さっきの人!





雪ちゃんっていうんだ?


《雪ちゃん》は柾の制服の端を握り、微かに震えていた。


…くっついてるな。

仲、いいのかな?

付き合ってたりしない…よな?

《親友は恋敵》なんて、嫌だ。


チャイムが鳴る。


スーツ姿の男が教室に入った。

英兎は手を合わせた。


「はいはい、お席に座りましょーねぇ」


柾は胸を撫で下ろした。

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