みすみの花が開くとき
1-Aの前。


「じゃあね!」


都は手を振って教室に入った。


花月さん、来なかったな…。


肩を叩かれる。

英兎と、その一歩後ろに雪が居た。


「おはよ、誠。仲いいねぇ?」


英兎はくすくすと笑っている。


口の中で舌打ち。


花月さんの前で…。

いや、それより。


英兎を睨む。


「英兎。お前も柾も、幼なじみのお姉さんに一言もかけないのか?」


英兎は笑みを絶やさなかった。


「何の事ぉ?」





コイツ…。

花月さんがどれだけ鬱ぎ込んでたか…。


舌打ち。





…いや、僕がキレていい事じゃないかも知れないけどさ。


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