みすみの花が開くとき
放送室。





うつむいた雪の頬には、まだ薄く涙の痕が残っていた。





「…大丈夫?」


パイプ椅子を広げる。

雪はへたり込んだ。


「お茶か何か、買って来る」


放送室を出る。

早足に自動販売機から戻る。

雪は身を強張らせた。

机にペットボトルを置く。


「…僕、居てもいい?」


雪は僅かに頭を下げた。


なんだか、一人にしておけない気がしたんだけど。

イエスかな?


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