みすみの花が開くとき
扉が開く。

遥が腕を組んで立って居た。


「どういう状況かな、これは?」


遥の口調は、天気でも聞いているかのように落ち着いていた。


「花月ちゃんは泣いてるし、昼の放送は始まらないし」


あぁ、そういえば。


遥は溜息をついた。


「私がやっとく。

君は、私の分のお茶を買って来て」

「僕ッスか」





「私の方が放送は上手い。

それに、花月ちゃんも、女相手なら、安心出来るかも知れない。

文句は?」





…反論出来ない。


「…無いッス」

「じゃ、さっさと頼むよ」





早足に放送室を出た。
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