みすみの花が開くとき
昼休み終了のチャイム。

義成は呻き事をあげた。


「佐橋、大丈夫か?」


既に、柾は居ない。


「…おう…」


呻き声と大差の無い返事だった。


「立てるか?」


義成は首を横に振った。


「薬貰って来る。待ってろ」


保健室に向かう。





…柾。確かに、僕は何も知らないよ。

悪いのか?これからじゃ。


保健室で薬と絆創膏を受け取り、戻る。


「自分で出来るか?」

「…おう…」


薬と絆創膏を手渡す。

義成の手は震えていた。


…柾。お前は、何がしたかった?

殺したかったか?


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