みすみの花が開くとき
僕が花月さんに関して思う事…。





僕は─





「花月さんの声が聞きたい。…笑顔が見たい」





想像が起きる。





隣で屈託の無い笑顔をたたえ、その澄んだ声で笑う、雪が居た。





重症だな、僕。

…想像だけで、こんなにドキドキしてる…。





想像がよみがえる。





再び現れた雪の隣には、柾と英兎が居た。





僕よりも、近い…。





…モヤモヤ…。





僕は─





「花月さんの声が聞きたい。…笑顔が見たい。

…英兎よりも、柾よりも、…誰よりも、近くで…」


義成は口の端を上げて笑った。

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