みすみの花が開くとき
下校時間。





時計を見る。

まだ、午前。

英兎が駆け寄る。


「誠。今日、暇?」

「あぁ、暇だけど?」

「じゃあさ、お昼、食べて行こーよ。柾と。

…雪ちゃんも誘ってさ?」


精一杯、平静を装う。


「…あぁ」


英兎はくすくすと笑っていた。


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