みすみの花が開くとき
三日月の黒も月
駆けた。





グラウンド─





総合体育館─





総合美術室─





売店兼食堂─





各教室─





何処にも、雪は居なかった。


何処だ?





帰った…?





いや、まだ、屋上が…。





階段を駆け上がる。





屋上。





見回す。

無人。

舌打ち。





一階分突き出ている屋上の入り口が目に入る。


居てくれっ…。





梯子を昇る。





少女が一人、背を向けて寝て居た。


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