彼は
「守ってみせるよ」


怖がりな貴方が壊れぬよう。
いつだって私は貴方の味方で、貴方を愛するから。

血塗れの彼に歩み寄り、抱きしめる。
私の体にも、血がついた。


「菜々美(ななみ)、汚れちゃうよ」


言いながら彼も私の背中に手を回した。
この腕の中を心地よいと思う。
そんな私も異常者だ。
彼も私も異常者同士、お似合いな二人だろう。


「ゴミ(死体)の片付けが終わったら、お風呂に入ればいいよ、一緒に」
「そうだね。さっさと片付けようか」


汚れるときは、共に。

< 5 / 112 >

この作品をシェア

pagetop