伝えたぃ想い
そのまま傘もささず家まで走って帰った。
雨が降っててよかった。
だって涙を隠してくれるから。
家に入るとすぐに
玄関に座りこんだ。
「雅人..雅人ぉ...」
雅人は浮気なんかしないって分かってるよ。
でもあんなの見ちゃったら
信じきれないょ...
「葵!!?開けて??」
ドアをどんどん叩く音。
雅人...?
なんで?
もう夏紀ちゃんのところに
行ったんじゃなぃの??
「葵..お願い。話..させて?」
ドアの向こうから
聞こえてくる声は
とても弱々しくて聞いていられなくて
重たいドアをゆっくりと開けた。