君との距離は1メートル 【完】





「あ、光どこいってたんだよ」



帰ってくると早速誠が飛びついてきた。



「あ?まぁ色々。あ!あとお前あんまり杏奈ちゃんの名前出すなよ!」



抱きついてきた誠を引き剥がす。


「え〜?そんな出してねーべ。つーかお前のほーが杏奈ちゃんの話しするから!」


ピッと人差し指を突きつけられてうっ、と言葉を詰まらす。
て、そんなに杏奈ちゃんの名前出してるか?!





「そんなだしてねーよ!ほら、もうすぐホームルームなんだから席につけや」




しっしっと手をヒラヒラさせて誠を追い払う。


「先生かよ!」



後ろから誠が突っ込むのが聞こえたが無視した。

















キーンコーンカーンコーン……



「飯だー!光食うぞ!」



4時間目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り終わり、誠が弁当を持って駆け寄ってきた。



ピロリン、と俺のケータイが鳴った。



「あ、杏奈ちゃんからだ」




「え?!なんで?てか顔見てみたい」



誠が俺のケータイの画面を覗き込む。


『日曜日に今日話したメンバーで遊ばないかって誠君からなんだけど、遊べる?』





今日話したって言うのは、愛巳と細川と誠と俺と杏奈ちゃんか…。



「?誠…って青葉高の?」



「そうだよ」


誠が不思議そうに聞いてきたので頷く。


「日曜日って部活なかったよな?」



「ああ、って行くんだ」


< 100 / 384 >

この作品をシェア

pagetop