君との距離は1メートル 【完】
「あ、光どこいってたんだよ」
帰ってくると早速誠が飛びついてきた。
「あ?まぁ色々。あ!あとお前あんまり杏奈ちゃんの名前出すなよ!」
抱きついてきた誠を引き剥がす。
「え〜?そんな出してねーべ。つーかお前のほーが杏奈ちゃんの話しするから!」
ピッと人差し指を突きつけられてうっ、と言葉を詰まらす。
て、そんなに杏奈ちゃんの名前出してるか?!
「そんなだしてねーよ!ほら、もうすぐホームルームなんだから席につけや」
しっしっと手をヒラヒラさせて誠を追い払う。
「先生かよ!」
後ろから誠が突っ込むのが聞こえたが無視した。
キーンコーンカーンコーン……
「飯だー!光食うぞ!」
4時間目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り終わり、誠が弁当を持って駆け寄ってきた。
ピロリン、と俺のケータイが鳴った。
「あ、杏奈ちゃんからだ」
「え?!なんで?てか顔見てみたい」
誠が俺のケータイの画面を覗き込む。
『日曜日に今日話したメンバーで遊ばないかって誠君からなんだけど、遊べる?』
今日話したって言うのは、愛巳と細川と誠と俺と杏奈ちゃんか…。
「?誠…って青葉高の?」
「そうだよ」
誠が不思議そうに聞いてきたので頷く。
「日曜日って部活なかったよな?」
「ああ、って行くんだ」