君との距離は1メートル 【完】
「そうと決まれば!光君の家に乗り込むぞ!」
オーーー!!!
と3人で拳を高々とあげて気合を入れた。
ピンポーーン
と、奏子が光君の家のインターホンを鳴らす。
そういえば初めて玄関から光君の家に入るかも。
いつもベランダからしか入ったことないし。
「はーい」
インターホンから光君の声が聞こえてまた切れた。
ふと愛巳を見ると、少し肩がこわばっている。
いとこ同士のはずなのに、抱く気持ちが違えば自然にはいられない…。と、いうことなのかな?
愛巳にとって光君はいとこ以上に大切な人なんだ。
そう思うと、胸のどこかが不思議と重くなる。
そんな人がいないから、重く感じるのかな?
「いらっしゃい」
ドアが開き光君が中から出てきた。ボーダーのシャツにジーパンというシンプルな格好だ。
「お邪魔しまーす」
さっきまでの固い表情をしてた愛巳とは打って変わり、明るいはつらつとした愛巳になっていた。