君との距離は1メートル 【完】
「おはよう」
柴田君はニコッと奏子に笑う。
するとぱちっと誠君と目があった。
「おはよう」
「あ、おはよう!」
私を見ていってくれたようで急いでおはよう、と返す。
「みんな早いんだね」
そう言いながらよいしょ、と私の隣に腰を下ろす。
「でもついさっき来たばっかりだよ」
「そーなんだ!あ、光これお菓子ね」
誠君はカバンからクッキーを取り出してお茶を並べ終わった光君に手渡した。
「ああ、うん。ありがとう」
光君は受け取るとお皿持ってくる、と言ってまた下におりていった。
「で、そちらは?」
奏子が手を向けた先は、例の光君の友達だった。
「あ、俺は須藤誠!柴田君と同じ名前同じ漢字」
須藤誠君か〜。黒髪の短髪で背は170位。なんだかクラスにいるムードメーカーみたいなオーラをかもしだしている。
「おっけ!須藤君ね。私は細川奏子です!よろしくね。あと、誠君の隣にいるのが引っ越してきたばっかの笹野杏奈で、こっちが光君と従兄の池田愛巳」
奏子はいっぺんに私たちを紹介すると「何か聞きたいことある?」と須藤君に質問した。
「ああ…いや〜特にないよ」
須藤君はそう言うとちらっとこっちを見てきた。
「杏奈ちゃんって光の隣の家なんだっけ?」