君との距離は1メートル 【完】
それからは6人でゲームしたりおかし食べて話したり普通に遊んだ。
時折、奏子が内緒話しをするように耳に口を近づけて、
「愛巳と光君いい感じだね」
とニヤニヤしながら私に言ってきた。
そう言われるたびに見ないようにしていた光君と愛巳を見なくちゃいけなくて、互いに笑いあっている2人を見るとまた心が痛んだ。
「ね、愛巳良かったよね」
とりあえず私も奏子に耳打ちする。
「このままくっつけばいいのにね〜」
うふふ、と笑いながら奏子はまた2人を見る。
「…うん。本当にね!」
喉に何か使えたような物があって、中々素直にうん、と言えなかった。
もう!ちゃんと愛巳を応援しなきゃだめなのに!!
なんでこんなに
本当に
モヤモヤするんだろう…
「杏奈?」
名前を呼ばれはっとする。
「誠君?なに?」
右隣の誠君が私を呼んだみたいだ。
誠君は私の顔を覗き込んで「どうしたの?」の聞く。
「いや!ちょっとぼーっとしてた!」
ごめんごめん、と笑いながら誠君に謝ってコップに手を伸ばす。
「杏奈ちゃんってどこから来たの?」
ひょっこりとこっちに顔をのぞかせる須藤君が興味津々に聞いてきた。
そういえば、須藤君も私の事名前で呼んでるな…。いいけど…。
「N市からきたんだよ!」