君との距離は1メートル 【完】
私達は大通りに入って、この間のカフェのお店に入った。
「オススメは?」
「まだ一回しか入った事ないよ!あ、でもねアイスココア美味しかったよ?」
じゃあアイスココアにしよっかな〜
と、向かいの席に座る誠君はメニューを見ながら独り言を言っている。
「え!早い!まってよ。まだ決まってない」
そういえば奏子も早かったな、と思いつつメニューに目を走らせる。
「ね、杏奈」
「うん?」
メニューを見てると不意に名前を呼ばれた。
顔を上げて返事をする。
「なーに?」
誠君もメニューから顔を上げておりまっすぐこっちを見ていた。
「愛巳…が光のこと好きなの知ってるよね?」
「え?うん。知ってるけど…」
ドクン…と胸の中で脈打つ音が聞こえた気がした。
「そっか〜。やっぱり話してんだ」
「うん。結構最初の方に聞いたよ。てか、最初に教えてくれたのは奏子だけどね!」
誠君は目を丸くして驚いた顔でこっちを見つめる。
え?なになに?
どこにそんな驚くとこがあったのか分からず私一人でテンパる。
「なに?なんかおかしかった?」
「あ、いや…。奏子ちゃんが愛巳が光を好きって杏奈に言ったんだよね?」
「そうだけど…。2人で応援しようって奏子は張り切ってたし」
誠君が何にそんなに驚いているのかまだ分からない。
「奏子が応援……か」
俯いてそう呟く誠君の顔は、どこか深刻そうな顔をしてた。