君との距離は1メートル 【完】





チッチッ…




時計が時間を刻む音をもう2時間位聞いている。





杏奈ちゃんと誠は帰ってきただろうか?




ベッドから起き上がってベランダに出る。




日に日に冷え込む夜は冬の訪れを匂わせる。






まだ帰ってきてないんだな…。

隣の杏奈ちゃんの部屋が真っ暗な事からおそらくまだ外出しているんだろう。





俺は一端中に入りとりあえず暇を潰すことにした。





「光ー、ご飯だよー」



「うーん」



8時ごろ。



ちょくちょくベランダに出るけど、杏奈ちゃんはまだ帰ってきてない。



時間がたつにつれてそわそわとした気持ちで一杯になる。




とりあえず俺は下に行って晩御飯をすませる。





「あ、そーいえばさ、大通りで隣の家の子みたよ」



「え?」



俺は夕飯に出されたハンバーグを食べる手を止めた。



「一緒にいたの確かマコちゃんよ!あの2人ってそんなに仲良いの?付き合ってるの?」



母さんは誠の事をマコちゃんと呼ぶ。


いや、それはどうでもよくて


「付き合ってはないよ。今日はカフェ行くって言ってた」




ハンバーグを食べるのを再開して母さんを見ずに答える。




「ふ〜ん?結構いいムードだったんだけどな〜」





「ごちそうさま!!!」



俺は勢い良くテーブルから立ちリビングを出て素早く部屋に戻った。





「な、なにあの子…」



母さんが目をパチパチとさせているのなんか見ないで。

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