君との距離は1メートル 【完】




それからはただ普通に話した。


今日誠と行ったカフェの事も話してくれたし、カフェで2回連続アイスココアだったとか。







1時間ほど立ち、そろそろ帰ろうと思って立ち上がる。




本当は聞くつもりなかった。



でも、気になって仕方なくて自然と口を開いてしまっていた。



「その…。杏奈ちゃんは誠の事…」


好きなの?

と聞く前に意識がはっきりした。



なんて事聞こうとしてんの、俺。



全部言う前に気付いたから杏奈ちゃんにはもちろん聞こえてなかったわけで

聞き返されたけどなんでもない、と言って俺はすぐに自分の部屋に戻った。




最後のキョトンとした杏奈ちゃんの顔が頭に、目に焼き付いている。





部屋に戻ってからハァとため息をつく。





恋っていうのはこんなに大変なのか。



はじまったときから苦しまなきゃいけないのか。






その日の夜はモンモンとしたままベッドに入った。
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