君との距離は1メートル 【完】
「普通にクイズ形式の迷路とかどうですか?」
まっすぐな、私のよく知る声が後ろの方から聞こえてきた。
みんなが一斉に声の方を向く。
「迷路みたいに教室をして、数人が散らばって見つけられたらクイズに答えるみたいな感じはどう?」
誠君が明美ちゃんに向けて提案する。
凄いなー!ハッキリとした案があってみんな助かっちゃうよ。
「いいね!他に案がないなら基本の形をそれに決定したいんですけど、いいですか?」
ホッとした顔をした明美ちゃんが皆んなを見渡す。
はーい、とクラスのあちこちから賛成の声がして私たちのクラスは迷路クイズ方式に決まった。
「流石だね。いつでもパパッと決めちゃうんだから」
愛巳が誠君の方を頬杖をつきながら見た。
「凄いよね、誠君。あんな風にすぐちゃんとした案が出せるんだから」
「誠君…ねぇ〜」
愛巳がニヤニヤした顔つきで誠君から私に顔を向けた。
「本当、お似合いだよね。杏奈好きじゃないの?あいつのこと」
「え、好きだけど友達としてね?!」
『好き』という単語を聞いて頭の中になぜか光君の顔が浮かんだ。
…そんなまさか!!
顔が熱くなるのがわかる。
私が
光君を好き…?