君との距離は1メートル 【完】
「杏奈?!顔赤いよ?大丈夫…?」
愛巳に顔を覗き込まれてハッとした。
「大丈夫!なんでもない!!大丈夫!」
バカみたいに手を振って頭の中の考えも消す。
まさか!!ないない!ないから!
てか、ダメだから!
光君に恋しているのは愛巳で
愛巳しか駄目なんだよ。
心配そうにこっちをみる愛巳に笑顔を向ける。
「なんでもないって!」
「そお…?」
腑に落ちない様子で愛巳は話し出した明美ちゃんの方を向く。
ちらっと隣の愛巳の横顔を盗み見る。
恋をしている時の愛巳の顔は今は無いけど、やっぱり可愛い。
でも、光君と一緒にいる時の愛巳はもっと可愛い顔をする。
恋すると表情って変わるんだな〜
私は不思議に思いながら愛巳から目をそらした。