君との距離は1メートル 【完】
「杏奈ってさ、光君の事…好き?」
ドクン…
私が光君を?
「まさか!愛巳がいるのに好きなんてないに決まってんじゃん!」
あり得ない。光君には愛巳しかいない。
あまりにもおかしな質問をする奏子に私が逆に質問する。
「私が光君のこと好きそうにみえるー?」
「う〜ん」
真剣な目から奏子の目は迷いの目に変わり視線を惑わす。
「何ていうか…、表情が愛巳と同じ時があるから…」
愛巳と同じ表情?
「恋してそうな顔ってこと?」
私が?
「ぷっ」
恋する私を想像して可笑しすぎて吹いてしまった。
そんな私をギョッとした目で奏子がみる。
「本当ありえないって!確かに光君好きだけどそうじゃないって!」
そういうけど、
胸が痛むという事実からは
逃げられない