君との距離は1メートル 【完】
「ならいいけどさっ」
奏子は納得した顔になって話題を変えた。
そんな話しをしてる間に私は家に着いた。
今日はフルート教室はお休みだからゆっくりできる。
「ただいま〜」
「おかえりー」
お母さんの声がリビングから聞こえる。
私はそのまま二階に上がって部屋着に着替えてベッドに真正面から倒れこんだ。
私が光君を?好き?
愛巳と同じ恋の顔をする?
あり得ない。あり得ない。
でも、否定すると胸が痛む。
分からない。恋なのかも、この感情がなんなのか。
最近はそればっかりで嫌になる。
光君はただのお友達。愛巳の好きな人。
ただのそんな存在のはずなのに、どんどん私の中で存在が大きくなっている気がする。
どんだけ人気者なのよ…。
今日の9時からも光君と会うけどなぜか今日は会いづらい。
だれでもいいから私にこの感情を教えてよ…。
「もーーーー!!!」
「うっさい!!」
モヤモヤして叫んだらお母さんに怒られてしまった。
「はぁ…。面倒くさい」
何に悩んでいるのか分からない自分にイライラするし面倒くさい。
とりあえず、愛巳を応援する事に徹しなければ!!
奏子と協力して、愛巳を応援しないと!!
とりあえず使命感に燃えればモヤモヤなんて吹っ飛ぶ!!