君との距離は1メートル 【完】
「青葉祭っていうのが林丘高校の文化祭の一週間前にあるらしくて、是非来てほしいな〜って思って…」
ごにょごにょと語尾を濁らせていく私は何か企んでると思われないか心配だった。
「あー、行くよ!須藤もつれてくからさっ」
光君はえくぼを作って笑った。
その笑顔を見ると、また心があったかくなる。
「う、うん!私と愛巳と奏子で林丘の文化祭行くからね!それも楽しみにしてるから!」
「まじか!」
今日もいつも通りくだらない話をして22時ごろに光君の部屋を出た。
ベランダに出た時ー
「うわぁ!!星が綺麗!」
見上げた空は星でいっぱいだった。
引っ越す前はこんなにみれたことはなかったから…
「星、好きなの?」
光君がちょっと意外そうな顔で私を見る。
「なに〜?そんなロマンチックなものに合わないって顔してるんだけどー?」
私は一歩光君に詰め寄ると、光君は慌てたようにブンブンと顔を横にふる。
「違う!そうじゃなくって、好きなのかなーって単純にそれだけ!」
まったく。言い逃れがうまいんだから。
「まぁね、普通に好きだよ。星は」
私は腕を組んでまだ拗ねたふりをした。
別に怒ってもないけど、焦る光君が面白くて、つい…。
「そうなんだ…そしたらさ」