君との距離は1メートル 【完】
なぜか目をそらしてほんのりと頬を赤く染める。
「プラネタリウム…行かない?」
「プラネタリウム?!」
うん、と緊張した顔で頷く光君。
星が好きな私にとってそんな美味しい話はない!!
「ふ、2人で行かない?人数いるとうるさいし」
2人で…
なぜか、
2人で
って言葉をとても嬉しく感じる。
光君と2人で出かけられるなんて嬉しいことはないけど…
「2人かぁ…。
愛巳とか 誘わない?」
そんなの、愛巳が知ったらいい気しないよね…。
一瞬、光君の顔が顔がこわばった気がした。
「2人じゃ、嫌だったかな?」
「あ、そういうわけじゃないの!!2人がまずいってか…いや、そうじゃ無くて
あ、愛巳も星が好きって言ってたなーって思って!」
そんなの知らないけど、なんて。
「ああ、そゆこと…」
そういったけど、イマイチ納得仕切れてないような不満げな顔。
「あ、男の子1人だよね。そしたら誠君も誘ったらどお?」
「誠って、柴田の方?」
急に鋭い目つきになってこっちを見る光君。
初めて…こんな顔されたの…。
怒ってるのかな?
「そ、そうだよ。誠君だったら私も1番仲良しの男の子の友達だからー」
「1番?」
光君はまだ鋭い目つきで食い気味に私を見てそう聞いた。
「え、まぁ学校じゃ誠君ぐらいしか男の子と話さな…い…から…」
光君の表情がみるみる変わってく。
その変化に言葉がフェードアウトしてしまった。
悲しそうな…苦しそうな顔。
隠すようにうつむくけど、遅いよ。
どうしてそんな顔するの?
「光…君?」
「俺はー」
顔を上げた光君の顔はどこか切なさそう…。
「1番仲のいい男の子は自分であって欲しいって思った。
でも、杏奈ちゃんの中では違うんだよな…」
「へ?」
かなり深刻そうな顔の光君にうってかわって私は間抜けな声を出してしまった。
いや、だって、
そこ?!!!!
『1番仲のいい男の子』
私は学校でって言うつもりだったけど…
クスッと私は笑ってしまった。
それを見て光君は不機嫌そうに眉を寄せる。