君との距離は1メートル 【完】




「全然笑い事じゃないんだけど」




口を尖らせて低い声で言う。




「1番って学校でって意味だよ。本当の1番はー」




え?


という顔をする光君にとびきりの笑顔で





「本当の1番は光君だよ!!」





って、私は勝手に思ってるし


それがいいのかよくわからないけど


でもきっと





いいってことだよね?






「え、あ、そうなの?!なんで…」




「光君顔真っ赤だよー?」



本当、照れてるのか顔が赤く染まっている。




手のこうで口のあたりを隠すけど、もうバレバレだよ。





「何でって、学校では誠君が1番だけど本当の1番はこうやって毎日会ってる光君だよ。じゃなきゃおかしいじゃん?」





「そう…なのかな?」




「そうだよ!!」




えへへ、と安心したようにいつもの顔で笑う光君。




「プラネタリウムは…愛巳とか誘ってまた今度2人で行こう?」




「そうだね。そうするか!」





本当は2人がいいのに…。






でも…愛巳を差し置いてそんなこと出来ない。



ギュッと胸が締め付けられるように苦しくなった。

















今夜も10時ごろまで喋って私は帰った。





1番仲のいい男の子は光君。





間違ってないのに。





どうして苦しいんだろう…。







愛巳への後ろめたい気持ち?





違う。








もっと複雑で、まだ分からない。











私は今日もまた、モヤモヤしながらベッドに入った。
< 136 / 384 >

この作品をシェア

pagetop