君との距離は1メートル 【完】
最初の友達 杏奈side
うわうわうわうわ。
どうしよう。どうしよう。
ビックリしすぎて逃げちゃったけどまずかったかな〜。
お隣さんなんだから仲良くしないと私も友達できないしね…。
ヒヤヒヤしながら2階から1階に下りてお母さんたちのいるリビングに向かう。
「あ!杏奈。隣に男の子住んでるみたいよ。さっき会って挨拶したんだけどいい子そうでよかったわ〜」
ニコニコしながら話すお母さんの話しを聞いて、絶対あの子だ…と思いながらうん、うん、と頷いた。
「仲良くして、この町の事色々きいておきなさいよ〜?」
「それなら高校でできた友達に教えてもらうよ」
今更気まずいしね。と心のなかで付け足しておく。
「ふーん。そお?そういえば杏奈部屋決まった?お母さん洗濯物に1番日当たりのいいベランダの部屋使いたいからそこ以外にしてよ?」
「あー…うん」
となるとあのベランダの部屋はまだセーフだ。しかし今からあの部屋は行きたくないかな…。そしたら2つ目に大きな部屋をもらおう。
「あ、そしたらさ、2つ目に大きな部屋を頂戴」
「え?ベランダの部屋じゃなくていいのか?」
カバンから色々物を出してるお父さんが目を丸くして聞いてきた。
なんだかんだ無口だけどお父さんは私をよく分かっているな…。