君との距離は1メートル 【完】
「あれ?言わなかったっけ?光君と須藤君もいるって」
おかしいなぁ。言った気がしたんだけど…。
「あぁ、いや。きいた、かな?」
「え~?なにそれ~」
曖昧なんだからーと誠につっこみつつ、
ふたりで駆け足で正門に向かう。
「あ、おーーーーい!」
昇降口に行くと、奏子が気づいて手を振ってきた。
そこには
私服姿の須藤君と光君がいる。
「お、おはよー!」
ジーパンにボーダーのワイシャツにパーカーといったシンプルな光君の格好は
イケメンな光君を際立たせる。
かっこいいな~…。
「おはよ、杏奈」
ドキッ!
ニコッと笑って手を振る光君に心臓が飛び跳ねる。
あの夜から光君も私を杏奈って言ってくれるようになった。
また少し仲良くなれた気がするのは…
気のせいかな?
「………光、屋台のとことか行こうよ!」
「あ、うん」
愛巳の声で私達6人は中庭の屋台のある場所に行くことにした。