君との距離は1メートル 【完】




あ…






愛巳が光君の腕に自分の腕を絡ませて幸せそうな顔で笑った。




ドクン…




どうして…心が沈むの…?





「杏奈?」



「っはいっ!!」




しまった!暗い顔してた?!





呼ばれた声に我に返り名前を呼んだ誠を見る。




「大丈夫?顔色良くないよ?」




「え?全然!屋台で何食べようか悩んでてさ〜」




光君と愛巳から無理やり目を離して誠を見るように徹した。





「へー!杏奈って食いしん坊なのな!」




「はぁー?!そんなことないよ!?」







私は誠と。



愛巳は光君と。




奏子は須藤君と。




それぞれ2人ずつのペアになって屋台まで歩く。




愛巳と光君は私達の前を歩くから嫌でも仲よさそうなのが見えてしまう。





もう!なんで嫌なんて思っちゃうの?!



愛巳の幸せそうな顔、望んでたじゃん!





ブルブルと顔を横に振って邪念を払う。




「ねぇ!たこ焼きたべよー!」
< 145 / 384 >

この作品をシェア

pagetop