君との距離は1メートル 【完】



前にいる愛巳がこっちを向いて提案してきた。





たこ焼き…は昨日リサーチ済みだ。




3年のクラスの出し物でとっても美味しかった。




「いいよ!」




後ろの奏子達も食べたい!


と言ったので出だしはたこ焼きとなった。





「結構ならんでるねぇ…」



「うん…長い」





6人で並んだはいいけど、人気すぎて結構な列になっていて中々進まない。




う〜ん、じれったい…。




「そしたら俺らであっちのクレープいこーよ」



そういって誠は向いのクレープの屋台をさした。


確か2年生のどっかのクラスの出し物。




「俺と杏奈であっち並んでクレープ6個買えば一石二鳥じゃん?」




「あ、なるほどね!」




誠の提案に奏子達も賛成のようで、私と誠は列を出ることにした。




「そしたら俺も行くよ!」



驚いたことに光君も列をでてきた。



私も誠も目を見開く。



「な、なんで?!いいよ!」



そっこう遠慮すると光君の額にシワがよって不機嫌になった。



「だって3人ずつなら平等だし、いくらクレープでも1人で3つはもちにくいっしょ?」



あぁ、なるほど…。


「ーふふっ、ありがとっ!」


光君の優しさが嬉しくってつい微笑んでしまう。



ふと目を上げると冷ややかにこっちを見る愛巳と目が合った。




ゾクっと寒気のようなものがして一気に現実に引き戻される。



そうだよ…。愛巳がいい気になるはずなんてない。



私がすべきことは……
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