君との距離は1メートル 【完】
女の子達との距離、わずか1.5メートル!!
「…ねぇ、あれ彼女かなぁ?」
どちらかがヒソヒソと喋り出した。
聞こえてますよーー?!
「そうじゃない?2人で回ってるみたいだし…」
違います!!
「えー、ガッカリー。てか
彼女の方普通だね」
ゔっっ…。
きっと気持ちに気付く前ならなんてことないけど光君の事が好きと分かってしまった今、その言葉は心に突き刺さる。
「思った!見た目もそんな可愛いって感じじゃないしスタイルも別に普通だよね〜。あんまりお似合いって感じしない」
なんで付き合ってないのにこんな言われようなの私…。
光君の方を盗み見ると何も気づいてないようでまだパンケーキを頬張っている。
そうだよね…。
光君みたいなイケメンな人と私みたいな普通顏の人が一緒にいるとおかしいよね。
きっと光君の隣にいて似合うと言われるのは、愛巳の様な誰が見ても可愛い子。
光君も、私みたいな子はきっと恋愛として眼中にも無いんだ。
「ー…な…。ーんな
あんなっ!!」
名前を呼ばれる声にハッと我に帰ると光君が顔を覗き込んできた。
「どうした?具合とか悪い?」
いけない!ぼーっとしてた!
「まさか!ちょっとお腹一杯になってきちゃっただけ!
でもまだ食べるよ!」
そう言ってムシャムシャとパンケーキを二口で平らげた。
「…すっげー…」
光君の感心する声に心でどやる。
いや…女の子としてこれはダメだったかな?
「さあ、まだ食べるよ!次は焼き鳥!」
「え?まだ食うの?」
可笑しそうに笑いながら聞いてくる光君にもちろん、と頷く。
「お金が許す限りつぎ込むから!」
そう言ってスクっと立つと後から光君も立って横に並んだ。
あれ?光君…背が伸びた?
ふと見上げると初めてあった日よりもなんだか見上げる角度が大きくなった気がする。