君との距離は1メートル 【完】
「光君背伸びた?」
隣に並んで歩く光君を見上げながら聞く。
「え?!まじ?」
上から見下ろしてくる光君。
凄く嬉しそうにした顔だ。
「うん。なんか初めてあった時から伸びた気がするよ?」
多分2cm位?
たった2ヶ月位で2cmなんて驚異的なスピードだろう。
「やったなー!180も夢じゃねーな!」
「もー、見下ろさなくていいって!」
いちいち見下ろしてくる光君の脇腹に肘アタックをお見舞いする。
「いてっ!別に見下ろしてないよ。小さいから自然と見下ろしちゃうけどね」
イヒヒ、と意地悪そうな笑顔を向ける光君にドキッと胸が高鳴る。
そんな顔あんまり見たことないから…。
「小さいって何ー?せっかくおごってあげようと思ったのにおごる気失せちゃったな〜」
「ええ?!いや、うそ!小さいなんて思ってもないよ!」
慌てる光君にじとーっとした疑いの目を向ける。
「ほんとだよ〜。だからおごって?」
「それが狙いかよ!」
アハハハと二人で笑い合う。
なんて幸せなんだろう。
私は大事なことをこの時忘れていた。
この恋は黄色いチューリップだということを…。